今年も8 月5 日から7 日にかけて税理士試験が実施されました。
当事務所のスタッフも受験しましたが、難易度の高い問題、低い問題が割と極端な形で出題されたようで、自分が出来ているのかどうか分からないとの感想を述べておりました。
私も初めて受験した簿記論では、第1問は非常に簡単で「何か引っ掛けがあるんじゃないか?」と疑心暗鬼になった一方、第2問は模試でも解いたことが無い問題が出題され、かなり動揺しました。そして第3問は難易度が高く、ボリュームが多い問題が出題され、正に「ザ・税理士試験」という感じでした。
結局第3問は解答用紙の半分弱しか埋めることが出来ず、改めて税理士試験の難しさを痛感し、試験終了後は「また来年も簿記論にチャレンジになるのかな…」と肩を落として試験会場を後にしたものでした。
しかし結果は合格。そこで改めて税理士試験は競争試験ということを認識し、自分が出来ていなくても周りがもっと出来ていなければ合格することもあるので、次の年からは試験が終わったら12 月中旬の合格発表までは試験のことを振り返らないようにしました。
4カ月近く一喜一憂するのはメンタルに良くないですし(笑)
さてこのように「経験」によって試験対策出来たこともありますが、基本的にはノウハウを数多く持っている専門学校に通って基礎知識を学んだ上で、試験問題の傾向分析を聞くなどして試験に臨みました。
もし独学でしか学ぶ道が無ければ、今こうして税理士として業務を行えていないと思いますし、一生税理士になれなかったかもしれません。
こういう経験をした後、ある時「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ(愚者は、自らが失敗して初めて学ぶことができるのに対し、賢者は他者の過ちや歴史から学び、同じ失敗を避けることができる)」。という言葉を知りました。
この言葉は19 世紀のドイツ統一を成し遂げた鉄血宰相、オットー・フォン・ビスマルクによって語られました。
彼は、過去の戦争や外交失敗から多くを学び、それを基にドイツを強国へと導きました。その教訓として、歴史を学ぶことで、時間と資源を無駄にせず、より効果的な決定を下せると主張しています。
この言葉を知って改めて自分自身の人生を振り返ったことがありますが、大学卒業後、大手飲食チェーン店に就職したのはとても良かったと思っております。
そこでは会社の歴史を学んだ上で、今のメニューのラインナップが構成されている理由やオペレーションが確立した理由を知ることが出来ましたし、何百店もある各店の良い取り組みや失敗事例を定期的に共有する時間が設けられていました。
私自身の経験だけでは分かりえなかった情報を知ることが出来たのは、仕事をする上で大変貴重な財産となりました。
一方で世の中には、経験しないと学べないことがあるのも事実です。
知覚・直感・メンタルなどが正にそうで、これらを磨くことで初めて「プロフェッショナル」としての仕事術が身に着くのかなと思っております。
ただ物事を極めることにゴールは無いので、現役でいる間は常に修行ですね。
事業を行っていく上では、極力失敗は少なく、短期間で成果を出すというのは大命題とも言えます。
それだけに皆さまにもこの名言を実生活で活用して頂きたいと思い、ご紹介致しました。
そのためには、まず歴史や他人の経験に対して謙虚な態度を持つことが必要かと思います。
例えば、読書やドキュメンタリー視聴を通じて、過去の出来事や偉人たちの経験を学ぶ習慣を持つと良いかもしれません。
また、周囲の人々の失敗や成功からも積極的に学び、自らの判断に反映させることも大切だと思います。
常に「自分だけが正しい」という思い込みを捨て、他者の知恵を取り入れる柔軟性を持つことが、賢者への道ではないでしょうか。