この度、「所得税法施行令の一部を改正する政令」が公布され、マイカーや自転車などで通勤されている方の「通勤手当の非課税限度額」が引き上げられました。

これは物価上昇やガソリン価格の高騰など、通勤にかかる実費負担の増加に対応するための措置です。

今回の改正概要とご確認いただきたいポイントを解説します。

1. 改正の対象と適用開始時期

本改正で限度額が引き上げられるのは、自動車や自転車などの交通用具を使用して通勤している給与所得者です。
令和7年11月20 日施行ですが、令和7年4月1日以後に支払われるべき通勤手当に遡って適用されます。

2. 企業が行うべき実務対応

今回の改正は4 月1 日に遡って適用されるため、すでに支給済みの給与(4 月分以降)についても再計算の対象となります。

(1)遡及分の計算と取扱い
令和7 年4 月分以降に支払われた通勤手当について、「改正後の限度額」と「改正前の限度額」との差額を計算します。

改正前は限度額を超えていたため「課税(給与)」として所得税が引かれていた部分が、改正によって「非課税」扱いとなります。

(2)年末調整での精算
上記(1)で計算した「納めすぎていた所得税額」については、令和7 年分の年末調整にて精算(還付)処理を行います。

したがって、月々の給与計算を遡って訂正する必要は原則としてありません。

3.対象となる従業員の条件

以下の全ての条件に当てはまる従業員がいる場合、年末調整での精算処理が行われます。
1.交通用具通勤者であること(自動車、自転車など)
2.通勤距離が片道10km 以上であること(今回の引き上げ対象区分)
3.4 月~ 12 月の間に、改正前の限度額を超えて通勤手当を支給していたこと( 旧限度額 < 支給額 ≦ 新限度額 のケース)

該当する従業員様がいらっしゃる場合や、ご不明な点がございましたら、当事務所までお問い合わせください。

国税庁HP https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025tsukin/index.htm