昨今の世の中ではWebによる商取引は当たり前というか、無いと生活がままならないほどになった感じですよね。

それこそ何か欲しいものを購入する際、Webサイトへのアクセスが必須になる訳ですが、そこで活躍するのが「PHP」というWebサイトの裏側で動くプログラミング言語です。

有名なところだと、ブログや企業サイトなどを簡単に作れるWordPress(ワードプレス)にも採用されています。

Web技術の利用状況を調べるW3Techs(ダブリュースリーテックス)によると、サーバー側で使う言語が判明している世界中のWebサイトのうち、約7割でPHPが使われているとのことです。

 

そのPHPについて先月下旬、重大な脆弱性があることが発見されました。

これを放置していると、ログイン無しで外部からプログラムを動かされ、サーバーを乗っ取られる可能性があるとして、高市首相までXで異例の注意喚起を行うほど。

その結果、多くの事業者において緊急メンテナンスが実施され、その間はWebサイトにアクセス出来なくなるなど、世の中は大混乱に陥りました。

それだけではなく、前後して大手企業への不正アクセスが多く発見され、大量の個人情報が流出する事態となってしまいました。

今回の事態は、ほんのわずかな欠陥がこれほどにまで影響を及ぼす、正に蟻の一穴(ほんの小さな穴が大きな堤防を崩壊させる比喩で、小さなミス・油断・欠陥を放置すると、やがて重大な問題や損害につながるという警告)といった感じでしょうか。

しかしながらPHPは長年、世界中で約7割ものWebサービスで使われているのにも関わらず、なぜ今になって脆弱性が発見されたのか、疑問に思いませんか?

 

今回のPHP 脆弱性、様々な要因はあるもののAIスキャンが発見した可能性が一番高いと言われています。

PHPは「最も監視されている言語」でありますので、研究者・企業・大学・セキュリティ団体が常に挙動をチェックしているため、 脆弱性が見つかりやすい環境は従前から整っておりました。

こういった方々の研究の成果により、実は2年前からPHP脆弱性の兆候は把握していたそうです。

しかし技術的な難しさにより、修正は棚上げになっていたようですが、2025~2026年の間にAIベースの脆弱性スキャナが急速に進化し、人間では見つけられなかった欠陥をAIが発見したそうです。

そのスピードたるや、かつては世界トップクラスの専門家チームが数カ月を要したような作業を、AIの支援によって1人の研究者が約1週間で進めたようなものだと

そう考えるとAIの凄さと脅威を同時に感じる出来事だったことは間違いないです。

 

その一方、今回の事件で事業者が経営上学ぶべきことが色々あったと思っております。

まず積極的なAIの活用です。上記で述べた通り、作業スピードでは圧倒的にAIに分があり、Webのみならず、様々な場面でのAI活用で時短が図れる可能性があります。

裏を返せば、AIの活用が出来ないと、あっという間に時流に乗れず取り残されるということです。

それと同時にWebに限らず、経営上何か問題が発生した場合、問題がどれほど危険なのかを評価し、影響範囲を調査し、安全な改善方法を決めるには、人間の高度な判断力は依然として必要ということです。

言い換えれば、AIがどれほど速く問題を発見できるようになっても、人間や組織の意思決定が遅ければ、安全は確保できないということです。

 

AIが対応する速度と、事業者がそれを確認し、判断して行動する速度。この差をどれだけ縮められるかが、これからの事業の命運を左右する重要な条件になりそうですね。