「税理士って資格の名前、聞いたことありますか?」こう質問すると90%以上の人が「聞いたことがある」と答えて頂けます。
ただ「税理士って何をする人か説明できますか?」と質問すると、恐らく「出来る」と答えて頂ける方は10%も満たないのではないでしょうか。
かくいう私も税理士となってから「税理士ってそもそも何をする人なの?」「公認会計士と何が違うの?」という質問を数えきれないほどされました。
税理士の業務内容を知らなければ、税理士を目指そうにも難しいものがありますよね。ここで改めて税理士の業務を説明したいと思います。
税理士の業務は税理士法第二条にこう規定されております。(一部抜粋)
第二条 税理士は、他人の求めに応じ、租税に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。
一 税務代理
二 税務書類の作成
三 税務相談
2 税理士は、前項に規定する業務(以下「税理士業務」という。)のほか、税理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を業として行うことができる。ただし、他の法律においてその事務を業として行うことが制限されている事項については、この限りでない。
第二条の二 税理士は、租税に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述をすることができる。
少し細かく説明しますと、「税務代理」は納税者の代理人となれるということです。具体的に申し上げると、納税者の代わりに申告書等を提出することや、税務官公署(税務署、都道府県税事務所、市役所など)からの問合せ等に納税者に代わって対応できます。税務調査の立会い等もこれに含まれますね。
「税務書類の作成」は、税務官公署に提出すべき申告書、申請書、届出書などを納税者に代わって作成することです。納税者が法人であれば、法人税、消費税、法人住民税、法人事業税などの申告書の作成が当てはまりますね。
「税務相談」はその名の通り、上記の申告書等の作成に関し、その計算に関する相談に応ずることです。俗にいう節税相談はこちらに当てはまりますね。
この第二条1項の3つは、有償、無償に関わらず税理士にしか出来ない業務となっております。
一方第二条2項の「財務書類(貸借対照表、損益計算書等)の作成」「会計帳簿の記帳の代行」は、税理士以外でも出来る業務となっております。
しかしこれらが出来ないと法人や個人事業主の税務書類の作成は出来ませんので、税理士の重要な業務と言えます。
ただし書き以降は、簡単に言うと税理士は会計監査業務が出来ないということを規定しております。
それ以外に第二条の二で出廷陳述権が規定されていますが、割と最近規定されたものですし、特別な勉強をしなければならないこともあり、対応できる税理士は現状ごく少数です。
以上を踏まえると、税理士の独占業務は「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」で、主業務は「財務書類の作成」「会計帳簿の記帳代行」となります。
税理士を目指すのであれば、これらの業務を出来るようにならなければならないと認識して頂ければと思います。