我々の税理士業界は8月に実施された税理士試験の合格発表が11月末にあり、税理士に登録できる有資格者が毎年(ここ数年は600人前後)生まれます。

そのような人たちはその後早速税理士登録をしたり、登録すべきかどうか判断に悩み、各種税理士団体に入会して情報を集めたり、先輩税理士のアドバイスを仰いだりします。

私が入会している東京青年税理士連盟でも去る1月18日(土)に合格者祝賀会を開催して、沢山の税理士試験合格者に入会して頂きました。

そんな新入会員を見ていると、新たな世界に飛び込む期待と不安と緊張感が見て取れ、初々しさを感じ、私も合格直後を思い出し新鮮な気持ちになれますね。

 

1月27日(月)にはその新入会員向け研修会の講師を務めさせて頂き、税理士業界のこと、税理士登録手続きのこと、開業までに考えるべきこと、営業や知識習得の方法などを説明しました。

そこでまずお話したのが「税理士試験合格はゴールでは無く、あくまでもスタート」ということです。税理士試験は最終合格率が約3%と言われるほどの難関試験ですが、税理士登録すれば食べていけるだけの保証など、どこにもありません。

のれん分けや事業承継などでない限りお客様はゼロからスタートで、営業をしない限り増えることは基本的にありません。

 

しかし世の中の税理士の職歴を紐解くと税理士事務所職員や経理職経験者が多数派で、営業経験をしたことがほぼ無いためか、営業につまずく人が結構多く見受けられます。

そんな人は得てして「自分の営業が上手くいかないのは、取り扱える業務の幅が狭いからだ!業務の幅を広げるために別の資格を取ろう」と考えてしまい、勉強を始めようとします。

勉強して知識を増やすのは決して悪いことではありませんが、営業が上手くいかない原因は本当にそこにあるのでしょうか?

 

私はそこでは無いと考えております。資格は税理士だけで沢山稼いでいる方も日本中にゴマンといますからね。

結局のところ営業が上手くいかないのは、営業の絶対量が足りていないからだと思います。

なぜそうなるのかと言えば、営業のノウハウや経験が無ければ、最初から上手くいくはずなどなく、断られるたびに自信を失っていってしまいます。

そんな経験を繰り返すと、断られることを極端に怖がって分母を増やすことができず、契約をゲットできる機会を失う負のスパイラルに陥るのです。

 

私も税理士1年目の時、営業の経験もノウハウもそれほど無かったので不安しかありませんでしたが、とにかく契約をゲットできる手がかりを掴みたい一心で様々な営業セミナーに参加しました。

そこで共通して言われたのは「まずは様々な士業や経営者が集う場に積極的に顔を出し、とにかく馬が合う優秀な士業や経営者と知り合うのが一番で、その為には名刺を年500枚配る位の気概が必要。」ということでした。

私は年500枚名刺を配れたか定かではありませんが、その言葉を信じて愚直に営業活動を数多く行った結果、今に至っていると強く思っております。

やはり数は力かなと。

 

一方闇雲に顔を出せば良い訳では無く、自身のアピール方法などの営業の質を上げていかないと契約ゲットの確率は上がりません。

そこで私は名刺のデザインをとことん研究しましたし、名刺交換の際、1分で自分の人となり、業務の特色を伝えられるよう訓練もしました。

とある売れっ子税理士の名刺の作り(コンセプト)が私のものとほぼ一緒だと知った時、自分の営業の方向性が間違っていなかったことを確信し自信に繋がったのも、営業を積極的に行う力になりましたね。

この辺りのことは上記の研修会で全てお話ししたので、少しでも参考にして頂いて、経済的に自立した税理士が増えることを切に願っております。

それがひいては納税者のためになりますからね。