税理士の業務内容として、税理士にしか出来ないもの(税務書類の作成など)及びそれに紐づいて作業していくもの(会計帳簿の作成など)について説明して参りました。

まずはそれらの業務がしっかり出来ることが、税理士として最低限求められる能力です。

しかしながらお客様である事業者と関われば関わるほど、税務以外の相談を受けることも多く、その対応を求められることもあります。

特に昨今では会計ソフトの発達やAIの進化により、会計帳簿の記帳や申告書作成以外の支援を求められることが増えてきております。

その中でも支援をすることが多い業務を説明します。

 

1 給与計算

給与計算は事業者本人が役員報酬を受け取っていたり、従業員を雇用していたりすれば、必ず行わなければなりません。

しかし源泉所得税、社会保険料、雇用保険料の算出方法や住民税の納税の流れが良く分からない事業者も数多くおります。

もちろん初めて給与計算をする際は我々税理士もレクチャーしますが、それでも理解が追い付かない、いまいち自信が持てないなどの理由で、給与計算そのものをご依頼してくるケースがあります。

また従前は自社で給与計算を行っていたものの、本業が忙しくなり給与計算を行う時間が取りづらくなってきたというケースでのご依頼もあります。

 

2 経理代行

税理士はお客様である事業者より会計帳簿を作成するための原始資料(領収書、請求書、カード支払い明細書など)をお預りし、処理を行います。

ただ前段階として事業者側でこれらの原始資料をある程度取りまとめた上で税理士事務所に送らないと、過不足が生じ何度も資料を準備しなければならなくなり、時間が奪われることになります。

しかしながらこの原始資料そのものの取りまとめが苦手な事業者も一定数いらっしゃいます。

また元々専任の経理担当者がいたものの、事情があっていなくなった場合に入金管理や振込対応が滞るケースも時として発生します。

そんな時、原始資料の整理や入金管理、振込対応などの代行(経理代行)のご依頼があります。

 

3 融資支援

事業を継続していく為には資金が無いと出来ません。その資金の確保の為、金融機関から融資してもらえるかどうかが非常に重要です。

しかし融資の申請では事業計画書等の作成を求められることがあり、その作成方法が良く分からない事業者が数多くいます。

また融資の審査が進むと、金融機関等の審査担当官と面談も実施しますが、財務に関する説明が上手くできない事業者も数多くいます。

そこで税理士が融資を受けやすくなるような書類作成を代行したり、金融機関等との面談に立会ったりします。

金融機関側も税理士が付いていると安心感、信頼感をもって対応してくれるとの期待も大きく、融資成功の確率が飛躍的に上がるため、このような融資支援のご依頼があります。

 

上記の業務は税理士の必須業務では無いため、対応していない税理士もいます。

しかしながら定型の税理士業務だけでは差別化を図るのが難しいため、価格競争に巻き込まれ経営が立ち行かなくなることもあります。

そのため上記業務なども対応できるように取り組む訳ですが、そのためにはこれらの知識を習得する必要があります。

決して楽ではないですが、税理士として自立していくためには積極的に取り組んでいった方が良いと私は考えます。

業務の手をどの程度広げるのかが、税理士としてのカラーを決めると言っても過言ではありません。