SWOT分析についてコラム46では外部環境、コラム47では内部環境のお話をさせて頂きました。若干抽象的な内容でしたので、今回は実際になじみのある企業、オリエンタルランドのSWOT分析の事例をご紹介させて頂きます。
S(強み)は「世界でも最大の入場者数を誇るディズニーリゾートの運営」「絶大なブランド力」「自己資本比率が高い」「広大な土地の所有」
W(弱み)は「度重なる値上げによるインフレ状態」「施設の立地が湾岸沿いで、災害時の物理的リスクがある」「中期的な入園者数の大幅な増加は見込めない」
O(機会)は「外国人観光客の増加」「千葉県以外の場所への進出」
T(脅威)は「人口減少による国内市場の縮小が進行」「所得減少による個人支出の低迷」
いかがでしょうか。このような感じで自社も分析して頂ければと思います。
外部環境と内部環境の分析で情報を集めたら、今度はそれぞれの情報を「タスキ掛け」で検討していきます。これを「クロスSWOT」と言いますが、これにより戦略を具体的に立案出来るようになります。「強み×機会」であれば「強みを活かし、貴会を勝ち取るための方策をどうするか」が導き出せますし、「強み×脅威」であれば「強みを活かし、脅威を機会に変えるにはどうすれば良いか」が導き出せます。一方「弱み×機会」であれば「弱みを補強し、機会を掴むための方策をどうするか」が導き出せますし、「弱み×脅威」であれば「弱みから、最悪のシナリオを回避するにはどうすれば良いか」が導き出せます。最後は何か「逃げるが勝ち」的な感じでイメージは良くないですが、弱みが無い事業などありません。大企業であっても、大きいからこそフットワークが遅くなることが往々にしてあります。それだけにそこは改めて冷静に分析する必要があります。逆に一見業績がプラスになりそうな外部環境の変化でも、必ずビジネスチャンスに繋がるとは限りません。それは、競合にとっても同じ条件となり得るからです。どんな点が競合より勝っているのか、変化への対応力がキーとなります。
以上分析が終わったら、その結果から成功要因を導き出し、競合他社に負けない事業戦略やマーケティング計画策定に落とし込んでみて下さい。大変ではありますが、「努力が報われる」第一歩です。ご支援が必要な方は当事務所にお問い合わせ下さい。