先月8/20に加納税務会計事務所は開業10周年を迎えました。
これも偏にご依頼頂いているお客様、ご協力頂いているスタッフ、家族、業務提携先その他関係者に皆さまのお陰です。
改めて御礼申し上げます。
また本コラムも連載100話目という節目を迎えました。
ということで私が税理士を目指すきっかけから、税理士試験での苦闘~現在に至るまでをお話ししたいと思います。
今でこそ曲がりなりにも税理士として地に足を付けて仕事が出来るようになりましたが、お恥ずかしい話、大学3年頃までは正直就職(仕事)のことを深く考えておりませんでした。
それでも周りが就職活動を始めているのを見て焦って私も始めましたが、戦略も無く行っていたため当然のごとく失敗の連続。
このままでは流石にまずいと思い、自分が何をしたいのか、どういう職が向いているのかを見つめ直し、その時は飲食業を選びました。
理由としては、単純に料理が好きだったこと、ゆくゆくは独立して仕事が出来ることでした。
考えてみれば、私の父方の祖母の一家は皆、経営者として活動されていましたし、母親の実家も理容業を営んでおりましたので、経営者になりたいと思ったのは血筋だったのではないかと思います。
ですので数多ある飲食業の中で㈱フォーシーズを選んだのも、会社に貢献すれば独立を支援してくれるシステムがあったからでした。
フォーシーズに入社してから、概ね順調に出世し、若くして責任あるポジションを任されるようになりましたが、そこで計数管理を経験し、その面白さに気付いたのが税理士を目指す第一歩となりました。
また私が就職した頃は「超」がつくほどの就職氷河期で、社内の扱いが決して良いものでは無かったのも転職を考えるきっかけとなりました。
外部からヘッドハンティングされた上司に対抗できず、無念の日々。そこでなぜ対抗できないかを考えた時、自分には対外的に誇れるスキルが何も無いことに気づきました。
その結果、資格を取得するのが近道と考え、色々と資格を探す中で税理士がヒット。
いつしか「税理士になって見返したい!」という反骨精神がふつふつと沸き上がり、27歳でフォーシーズを退職し、税理士の道に進むことを決意しました。
それから税理士を目指すべく専門学校に通うのですが、学生時代、簿記は全く習っていなかったので簿記入門講座から受講スタートしました。
その入門講座も終わりの時、講師からこんな言葉をかけられました。
「Welcome to the “HELL”!皆さんは税理士になって成功することを夢見てこの講座を受講されたかと思いますが、これは地獄への第一歩です」と。
専門学校の講師は1人でも多くの受講生を合格に導くのが仕事であるのに、夢も何もないこの言葉に衝撃を受けました。
もちろん最終合格率約3%の難関試験であることはしっかりリサーチした上で目指したので、ある程度心構えは出来ていたつもりでしたが…数年後、その講師の言葉は現実のものとなりました(苦笑)
受験初年度こそ会計2科目合格し幸先の良いスタートを切れましたが、その後の税法3科目は受験生のレベルも上がり、何度も受験に挑むも中々合格に至らず。
仕事をしながらの受験勉強は身も心もすり減らし、徐々に経済的にも厳しくなったため、税理士になることを諦めるのも頭をよぎりました。
しかし退職時の決心を思い出すなどして気持ちを焚き付けるなどして踏みとどまり、受験開始から11年かけて官報合格。
その後開業し、再び様々な壁が立ちはだかりましたが、ここも強い意志があったからこそ乗り越えられたのかなと…それだけに税理士として10年過ごせたのは感慨深いものがあります。
今ではお陰様で、ある程度自由に仕事を出来るようになりましたが、私の中ではまだ“HELL“から脱出できたとは思っておりません。
いつの間にか”PARADISE“に来ていたと気付ける日が来ることを夢見て、これからも一生懸命頑張っていきたいと思います。