皆さんは年賀状をどれくらい送っていますか?

 

私はかなり数は少なくなりましたが、それでも自分が大切に考えている方には返信の有無に関わらず必ず送る様にしております。

とはいえ一応誰から返信があったのか、年始からしばらくは確認するのですが、一月初旬のある日、仕事から自宅に帰ったら一通の封書を目にしました。

宛名は見慣れない名前でしたが、高校時代の恩師(2、3年で担任)と同じ苗字だったので気になってすぐ確認しました。

封書の中身を見ると、送り主は高校時代の恩師のお姉様であること、恩師は昨年亡くなったことが記されていました。

その恩師とは卒業後も年賀状のやり取りを行っていましたが、ここ数年は時流もあって恩師は年賀状をもう送らないと言っておりました。それでもこちらから送ると律儀にご返送されてきておりました。

その封書ではここ数年闘病されていたことも記されており、察するに年賀状の発送もしんどかったのかなと思います。

このような形で訃報を知ることになったのは非常に寂しかったですが、何だかんだで年賀状のやり取りすることの意義を改めて感じた次第です。

 

私の中で恩師と思っている方は二人いて、一人は上記の高校時代の恩師。もう一人は大学時代のゼミの担当教授です。

このお二方を恩師と思っている理由は、親身になって卒業後の進路について相談に乗って頂き、社会人としてどう生きていけば良いのかを厳しくも温かくご指導頂いたからです。

それ以外でも丁寧にご指導頂いた先生方はいらっしゃいましたが、このお二方は別格でした。

違いは何かと考えた時、このお二方は社会人として何年か勤務を経験してから教職に就いていたのでした。それゆえ、社会人として必要なスキルは何か、マインドは何かというのを身をもって知っていた訳です。

学校の教育の本質は、社会人としてしっかり働ける知力、精神力、体力を育むことです。

しかしながら私の学生時代は、社会人経験を持った教師はごく稀でした。社会人経験も無い教師が社会人として必要なスキル、マインドを教えたところで薄っぺらくなるのは明白です。

そう考えると、教師として本当のスキルを身につけるには、社会人として一般企業で最低でも3年位勤務経験をすべきかと私は考えております(今ではそういう経歴をもつ教師も増えてはきましたが)。

 

このお二方の導きもあって、大学卒業後は大手飲食チェーンを経営する会社に就職しました。

入社後、比較的順調に出世できたのは良かったのですが、一方で不満を感じておりました。それは「独立したいのであれば、経営者のマインドを持って経営者と同じように働かなければダメだ」と社長が言っていたからです。

その会社は一定の実績を残せば独立支援するシステムがあり、私もそれに魅力を感じ入社しましたのでマインドの部分では理解できても、経営者と同じような労働体系、従業員に対する福利厚生は実践しようにも難しいものがありました。

これは他の社員も同様に思っていたようで、不満に思った社員の退職が後を絶たず慢性的に人材が不足し、更に労働時間が増えるという悪循環に陥っていました。

 

退職後改めてその会社がなぜそういう悪循環に陥ってしまったのかを考えた時、社長が一ヒラ社員として勤務したのがたった3か月しかないのが要因ではないかと思いました。

社員を使って仕事をしたいのであれば、使われる経験を一定期間しないと社員の気持ちを理解することは難しいですよね。

つまり将来こういう仕事をしたいと思ったのであれば、それに必要な知識、スキルを取得し、経験を意識的に積むことが何より重要と言えるのではないかと思いました。既に起業されていても、そういった場は外部にいくらでもあります。

もし自身の経験が足りないと感じるようであれば、外部でリスキリングしてみては如何でしょうか。