さて過去コラムで4回に亘ってインボイス制度の説明を致しました。読んで頂ければお分かりかと思いますが、特に中小企業、個人事業主には大きな影響が考えられ、下手したら潰れるところも出るのではというのが大げさではない位の改正です。

また前回のコラムでは「金融機関の地殻変動」のお話をさせて頂きましたが、これによって中小企業、個人事業主が金融機関からの取引を打ち切られる可能性が取り沙汰されていることを言及致しました。

いずれにしても中小企業、個人事業主にとっては非常に厳しい状況に突入しようかという感じですが、実はこのような流れは昨日今日始まったわけでは無く、数年前から国は事業者に対して「技術、創造力、意欲があるところには積極的に支援していく」と宣言しており、それに対する施策も色々と打ち出していきました。その一方「技術、創造力、意欲が無いところには御退場頂く」とも言っておりました。ある意味、上記2つの事柄はそれを具現化したのではないかと私は考えております。

今後上記以外にも「御退場頂く」施策が出てくることは間違いありません。そうなってくると大木にぶら下がっているだけで技術や創造力を磨かず、得意先も開拓せず、経営者やフリーランスの気軽さだけを求めて仕事をすることは出来なくなり、本気でビジネスに取り組んで売上を上げていかなければ生き残ることは出来ないでしょう。もし今後も経営者やフリーランスであり続けたいのであれば、今一度「覚悟」をもって取り組んでいく必要があります。

では「覚悟」を持ってどう取り組むかですが、私は以下が重要かと考えております。

①委託先業者と対等であることを認識し、その関係を積極的に築くことが出来ること

②経営者として、自ら範となり資質向上に努めること

③主体的に活動しながらも、専門的なことはしっかり専門家にお願いできること

④良い時も悪い時も冷静に現状を受け止め、専門家の意見にしっかりと耳を貸せること

⑤今出来ることをコツコツと実践すること

⑥委託先業者の業務内容、価格設定を理解し、適正サービスの提供に協力的なこと

私もこの業界に入って修業時代から現在に至るまで、数多くの経営者を見てきました。やはり上手くいっているところにはそれなりの理由があり、上手くいかず破産や倒産に追い込まれたり、中々浮かび上がれなかったりしているところにもそれなりの理由があります。

偉そうに言う訳ではありませんが、上記が出来ている経営者の事業は健全に発展しているところが多く、逆に致命的に出来ていないものが1つでもある経営者の事業は上手くいかなかったりしていることが多いように感じております。それだけに敢えて例示させて頂きました。ただ今すぐに全てを完璧に実践できている必要はないと思っています。少なくとも上記のような意識を持ちつつ、出来ることから少しずつ実践し身につけていって頂くことで事業が花開くと私は信じております。

当事務所は、事業規模の大小、業歴の長短は問わず、そういう心意気がある経営者を積極的にご支援して参りたいと思っております。