少し前の話になりますが、今年はオリンピックが1年延期という形でしたが開催されましたね。東京都が緊急事態宣言の最中での開催でしたので賛否両論はありましたが、とりあえず感染爆発せずに無事に閉幕を迎えたというのが何よりだったかと思います。結果としても日本は過去最多のメダルを獲得するなどなど大躍進!ステイホームで外出が殆どできなかっただけに、私は時間があればオリンピックをテレビ観戦していましたが、一視聴者として日本勢の快進撃を見るのが楽しくて仕方ありませんでした!

さてその中でも「お家芸復活!」という形で柔道が好成績を残したのはとても印象的でした。元々格闘技が好きでしたし、中学・高校の授業で柔道をやった経験もあるので、物心つく頃から注目して見ていたんですよね。しかし近年は外国勢のパワーに押され、オリンピックでもなかなかメダルに届かないということも増えてきました。

その柔道界の復権を託されたのが、今回男子監督として率いた井上康生氏でした。井上監督は就任の際「日本柔道界は世界のどこの国よりも練習をしてきたし、技術もトップクラスであるのに勝てなかった。この要因を探り、対策を考え、結果を残すのが私の使命」と語っておりました。では井上監督は何を取り組んでいったのでしょうか。

井上監督は様々な検証していく過程で、PDCAサイクルの中で「Check」の部分が日本柔道界に存在していなかったことに気づき、試合内容を分析する部署を設置することにしたのでした。その内容は10万件以上にわたる過去の試合映像から、相手の技や癖などを徹底的に分析し、終わったばかりの試合でも、選手やコーチがすぐに、スマホなどで見られるようにしたもので、これによりこれまでは感覚に頼ってきた動きを数値化し、練習や実戦に生かしていけるようになったのでした。

分析は選手だけに留まらず、審判が出す指導のタイミングや量にも及び、その結果、攻め急いだり、守りに入りすぎることが少なくなり、不用意に相手にポイントを与えることが減ったのも好結果に繋がったのでした。

先月のコラムでもお話ししましたが、ビジネスはただがむしゃらに頑張れば良いという訳ではありません。そのためにしっかり計画・準備し、行動することが重要ですが、それに満足して「Check」を怠っている方を良く目にします。「一生懸命頑張っているのに中々結果が出ないな~」と思われている方は、計画、準備、行動してきたことの「Check」を必ず行うことを取り組んでみてはいかがでしょうか?