皆さんも日本史で学んでご存知かと思いますが、1945年に太平洋戦争が終結し、日本は敗戦国となり勝利した連合国軍の占領下に置かれることになりました。それだけでなく長引いた戦争の影響で国民は疲弊し、国土も焦土化してしまいました。しかしそこから日本国民は一致団結し、瞬く間に戦後からの復興を遂げ、1956年に経済白書で「もはや戦後ではない」との言葉が出たのでした。

上記の通りピンチとなった時の日本の底力は本当に逞しいの一言です。その勢いそのままに日本は世界第2位の経済大国に上り詰めましたが、そうやって一旦経済的に豊かになると日本は油断してしまう残念な欠点があります。日本はバブル崩壊、度重なる激甚災害など様々な国難に遭い、その都度改善すべき諸問題が炙り出されてきましたが、「まだ大丈夫!」と思い込んで小手先の改善に始終し、抜本的な改革は先送りしてきました。その結果今般のコロナ禍で様々な問題が再度噴出、もはや先送りできない状況になっております。

それを端的に示すものとして、元旦の日本経済新聞紙上に「経済・社会指標の各国比較」という記事があり、そこでは各国の成長と幸福度を先進国平均と比較しどの位置にいるかという表が掲載されておりました。興味深く見てみると、日本は全13項目中「経済成長率」「賃金の伸び」「労働生産性」「所得格差」「貧困世帯の割合」「教育への投資」「男女の平等」「他者への信頼度」「幸福度」の何と9項目で大幅な平均以下となっており、「社会の腐敗度」がほぼ平均、「治安」「失業率」は平均以上、「健康寿命」のみ大幅平均以上となっておりました。ただ失業率が低いと良いのかと言えば、一概にそうとも言い切れません。というのも労務の規制が厳しすぎて失業率が低くなっているようであれば、より良い待遇、環境を求めて転職しづらいことの裏返しでもあり、そのような労働人流が滞る状況が続けば賃金は伸びず、労働生産性も上がってきません。そう考えると日本は10項目で先進国平均を大幅に下回っていると言えます。つまり日本は「もはや先進国では無い」と言っても過言ではありません。ついでに言うと、税務の部分でも日本は圧倒的に遅れていて、納税者の権利を擁護する「納税者権利憲章」が制定されていないのは、先進国で日本のみです。このままでは日本が再び他国に支配されるというのも非現実的な話で無くなってきました。

この状況を打破するにはドラスティックな政治改革を行うしかないですが、今すぐに変わるとは思えません。そうなると自身が賢くなって、上手く立ち回っていくしか日本では自分の身は守れず、幸福感を得られない感じになっております。そのためにも情報収集を貪欲に行い、その道のプロの声に耳を貸し、改革に億劫にならずに動いていくことが重要になりますね。