コロナ禍の影響により売上が減少した事業者に支給される持続化給付金、一時支援金、月次支援金及び事業復活支援金などの申請の際、確定申告書等の提出が必要でした。しかし確定申告書の控えを作成しなかった、返送してもらう手続きを忘れてしまった、行方不明になってしまったなど、確定申告書の控えが無く焦ってしまった方も多いのではないでしょうか。
確定申告書は所得や納税額を証明する重要な書類ですので、まずは必ず控えを作成して頂きたいと思います。複写式の確定申告書を手書きで作成し、書面により税務署窓口へ直接提出すれば控えは必ず押印の上返却されますし、PCによりe-Taxで申告すればいつでも過去の申告内容を無料で閲覧が可能ですが、それ以外は注意が必要です。
郵送により申告書を提出する場合、控えを返送してもらうには必ず切手付きの返信用封筒を同封する必要があります。ただそれを忘れたり、控えを作成しなかった、行方不明になった場合でも納税者又はその代理人が所轄の税務署に行き、「申告書等閲覧申請書」を提出し、本人確認が取れれば(以下「申告書等閲覧サービス」という)、納税者が過去に提出した申告書等の内容を確認することが出来ます。かつては閲覧した申告書等の写真撮影はできず、内容を控えたい場合は謄写するしかなかったのですが、現在は写真撮影も可能になりました。
しかし謄写及び写真撮影したものは書類として認められないことも多く、正式な書面として写しを取得したい場合は、別途有料の開示請求が必要になります。しかも取得までには通常約2~3週間要することもあり、利便性に問題があったので、この度国税当局は、本年5/23から自己情報のオンライン確認ができる「申告書等情報取得サービス」を開始致しました。これにより過去に提出した直近2年分の「確定申告書」、「収支内訳書」、「青色申告決算書」の閲覧及びイメージデータ(PDF)の取得を無料で、しかも申請から数日以内に出来るようになりました。来年以降は、対象書類の範囲が直近3年分まで広がる予定でますます便利になりますが、留意点がいくつかあります。
・新たな「申告書等情報取得サービス」の利用申請に当たって、利用者はe-Taxにログインし、申請画面上からマイナンバーカードによる電子署名が必要
・申請できるのは納税者本人のみで、税務代理人や相続人の利用は不可
上記について自身で対応が難しい様であれば「申告書等閲覧サービス」について、当事務所が代理人として対応が可能ですので、ご依頼をご検討されている方はお問い合わせ下さい。