大盛り上がりとなったWBCが終わり、その後日本プロ野球(NPB)が開幕しましたが、WBC優勝の余韻で例年以上に盛り上がっているように思います。

WBCで活躍した選手たちは痺れる様な経験をしたことで一回りも二回りも成長し、更に良いプレーが出ているのも余韻が覚めない要因になっているのではないでしょうか。特にプロ野球では守備でファインプレーが出ると球場は一気に盛り上がりますよね。

 

ところで野球に限らずサッカーなど他の球技でも、取れるか取れないか微妙なところを取っていくと「球際に強い」選手と評され、チームで重宝されます。そうなると当然選手たちは球際に強くなるよう目指す訳ですが、一流選手ともなれば技術に天と地ほどの差はありません。

そんな紙一重の世界の中で、どうしたら球際に強くなり評価が高い選手となれるのか?数多くの名選手を育成してきたプロのコーチたちは、口を揃えて以下の3つを挙げています。

①そのギリギリの球を取るために必要な筋力、瞬発力、敏捷性を持ち合わせている

②状況をしっかり分析し、球が飛んでいくコースを読み、最短距離で向かう判断力がある

③何が何でも取ってやるんだという強い気持ちがある

 

①③については以前にもお話ししましたが、「心技体」の充実ということになりますよね。

一方②の状況分析、コースの先読みは普段から意識してデータを頭に入れておかないと出来ないものですよね。言い換えれば「しっかり準備をする」ということです。その上で反射的に最短距離で球に向かえるよう練習を積み重ねる必要があります。

つまり「しっかり考えて練習」した者が「球際に強い」選手になると言えるのではないでしょうか。

 

話はWBCに戻りますが、ダルビッシュ有選手が試合前日のインタビューで「明日は勝てそうでしょうか?」という記者の質問に対し「勝ち負けの結果は自分たちではコントロールできないものです。だから今出来ることは、勝てるようにしっかり準備をするだけです」と答えておりました。

またベテランとなった自身が参加する意義について「大谷翔平選手の凄さを日本選手に伝えることと」と言っておりました。それは「大谷選手の身体能力が凄いのではなく、練習の仕方、栄養の摂り方、睡眠のとり方など、しっかり結果を出すための準備の仕方があらゆる面で凄い。しかしそれを本当に分かっているのは自分しかいないので、それを翻訳して日本選手に伝えている。それがチームのためでもあり、日本球界のためでもある」と。

こういったことを聞くと一流選手であればあるほど準備を大切にし、そのための努力を怠っていないことが良く分かりますね。ダルビッシュ選手の薫陶を受けた選手たちが、その後も活躍できているのも頷けます。

 

ビジネスでも紙一重で出来るかどうかという状況は往々にしてあります。そこでしっかり取り切っていければ得意先、取引先の評価は上がります。

しかしそのためには普段から意識してしっかり準備しなければ取り切ることは出来ません。このちょっとした努力の差が後々大きな差となって表れるものです。

専門家としての知識、スキルは十分にあるのに今一つ伸び悩みを感じていらっしゃる方、そういった従業員を抱えている方は「球際に強くなる」ことを意識して取り組んでみてはいかがでしょうか?