事業承継を円滑に行ったはずなのに、どんどん社員がやめる。

後継者が、ご自身の会社で自らのリーダーシップを発揮し始めたのに、気が付かなかった落とし穴があったなんて。

この原因は?

 

申し遅れましたが中小企業向けの事業承継アドバイザー、エキスパートとしても活動しております税理士の加納と申します。

のべ1300件の税務処理・申告を経験し、様々なトラブルに対応していきました。

本稿では、その経験をもとに、「事業承継で組織を崩壊」させないために、崩壊の可能性がある前兆をわかりやすく、お気持ちに寄り添った形で解説していきます。

私は、事業承継時の既存社員の退職理由は大きく分けて2つあると考えています。

第一に、『社内の価値観が変化をし始めている』です。
つまり、後継者による会社改革が実を結びつつある(成果を体感できるまで、もう少し)と考えられます。
この場合、良い方向に向かっています。
後継者は慌てず騒がず、どっしり構えていれば良いでしょう。

もちろん、「大丈夫だろうか…」などご心配はあるかと思います。

そのようなときは、顧問税理士など頼れるパートナーに、少しでもかまいませんので不安を吐き出すことも大切です。
まずは、かかえこまず弱音を話してみて下さい。

思いのほか、すっきりできると思いますよ。

 

さて、問題はもう1つの原因です。
『会社で後継者が「浮いて」しまっている』、というケースです。
直近の会社の状況を思い起こしてみてください。

下記のようなことをしていたら要注意です。

  • 社内のルールを改定し、従業員の自由度を減らした
  • 社内の罰則規定を強化した
  • 組織や業務の仕組み化を進め、例外対応を認めない方向にした
  • 業務や作業のマニュアル化を進め、マニュアルに無い自発的な行動を認めないようにした
  • 給与規定などを策定又は改定し、実績・能力による報酬の差を強くつけるようにした
このなかで思い当たることは、あったでしょうか?

該当した方は、「良かれと思ってやったのに、何が悪いの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

上記であげた社内のマネジメントは、ビジネス書でも、このような『社内の管理を徹底すべき』という論調はよくみられます。

もちろん、前向きな動機にのって行われればプラスに働くことも多いものも、もし『恐れ』からくる取り組みだった場合は要注意です。

ようやく会社の現場仕事にも慣れてきた後継者がリーダーシップを取ろうとする。
するとなぜか反抗的な態度をとる従業員が出てきたりします。
「代替わり予定の後継者が従業員の考えや行動を理解できないこと」は、あなたが想定していた以上に多く発生しています。

それについて、長い目で見る心の余裕があれば、状況は少しづつ改善していくかと思います。

ですが、ときとしてなかなか好転しない状況もあるかと思います。
そして、そのような状態が続くと、
理解できない行動をとる従業員に対して、後継者は

『従業員が理解・予測できない』という『恐れ』が出てきます

その恐れから「従業員を放っておけば、何をしでかすか分からない」と考え、

『マニュアル・規則で制限をかける』という行動になってしまうのです。

そうして、「余計に問題がこじれてしまった…」というのが、よくあるパターンです。
というのも、「従業員を放っておけば、何をしでかすか分からない」という前提で作成されたマニュアルは『罰を与えることで人を従わせる』といった発想です。その思惑は従業員にも伝わってしまいます。
そうすると、従業員たちは『後継者が必要なのは、一人ひとりの人間としての自分たちではなく、思い通りに動くロボットのような人手でしかない』と考えるようになります。
まとめますと
結果として社内は疑心暗鬼に陥り
社内で仕事の協力関係ができない
部門間の争いは増える
モラルが低下
会社の業績は良い方向に向かわなくなる
会社の業績が下がる
後継者自身の社会的な評価が下がる
その心のいら立ちを従業員か先代か家族にぶつける
結局それが致命傷となって会社の組織崩壊が起きる。

このような苦しい道を、多くの後継者がたどりがちです。

ではどうすればこんな苦しい道を辿らずに行けるのでしょうか?
人は『恐れ』という価値基準で物事を判断してしまいます。
事業に限っては、『喜び』という価値基準にシフトしてみるのはいかがでしょうか?
たとえば『会社の業績を上げる』という目標を立てる際、『売り上げを上げなければ、自分の評価が下がる』
という恐怖から逃れるための行動をとらせるのではありません。
『売上が増えることは、お客様のニーズに応えるお役立ちの機会が増えることであり、幸せなお客様を増やすため』
と考えて動いてもらうようにすれば良いのです。
良くも悪くも、後継者の行動や思考は従業員に伝染します。
だからこそリーダーである後継者が、まずは幸せ起点の行動を起こすよう意識することが、
社員も顧客も幸せにできる第一歩になるのではないでしょうか。
(参考文献:月刊ビジネスサミット2021年3月号)
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