昨今、金融機関を取り巻く環境が激変したことをご存知でしょうか?

一つは長らく金融機関で使用されていた「金融検査マニュアル」が、2019年12月に廃止となったことを指します。これによりこれまで企業の財務上の数値を金融庁が作成したマニュアルに沿って金融機関が画一的に審査すれば融資が通っていたものが、経営者の技術、創造力、意欲など数字には表れない定性的な要素も考慮して、金融機関の責任で審査するという態勢に変わりました。裏を返せば金融機関も責任を負う以上、審査を厳しくしていくということが言えます。現に今年に入ってまだコロナの影響に苦しむ事業者がいても、コロナ禍にどう立ち向かっていくかの具体的な道筋を示せなければ融資をしてもらえないという事例が頻発しております。

もう一つは、地域経済を下支えする地方銀行の収益性を改善するため、2020年11月に銀行統合の要件を緩和する独占禁止法の特例法が施行されたことを指します。そして今年3月に経営統合に取り組む銀行を対象に、その費用を一部助成する内容を盛り込んだ金融機能強化法改正案も閣議決定されております。これにより金融機関同士の経営統合が一気に進むのではないかと言われておりますが、その影響で地域経済が活性化するどころか、中小企業の淘汰に繋がると不安視する声も上がっております。なぜかと言えば、金融機関の合併に当たって取引行の立場が弱ければ、その後融資案件は吸収する側の金融機関の基準に変わる可能性が高く、最悪の場合取引を打ち切られることも想定されるからです。それだけでなく地銀の統合により地域金融の寡占化が進むと、銀行間での競争原理が働かなくなり、借り手側が自社に有利な条件を求めて交渉することが難しくなることも考えられます。

一昔前であれば事業者が融資を申し込めば、行員が稟議を通すために様々な書類を残業も厭わず作成しておりましたので、融資にそんなに悩むことも無かったと聞きます。しかし現在は働き方改革により、定時になると強制的にPCの電源がオフとなるようになったため行員も思うように残業が出来ず、かと言って自宅でその分作業しようにも、個人情報の持ち出しが厳しくなったためそれも出来ないようです。金融機関がそういう状況になっている中で上記の2つの施策により、これから続々と「融資難民」が出てくるのではないかと私は思っております。

事業を行っていくには資金が無いと出来ません。そのためには資金調達で金融機関の支援が得ることが非常に重要になります。今までは行員任せでも良かったものが、これからは自社で積極的に動いていかなければならなくなっております。しかし動いていこうにもそのノウハウが無いとどうにもなりません。そんな時頼りになるのが税理士です。融資支援をしっかり行っている税理士であれば、融資が通りやすくなるよう財務諸表の見栄えを良くすることが出来ますし、事業計画書の提出を求められても根拠ある数字を基に作成支援をしてもらえ、融資の成功確率が飛躍的に上がります!もちろん当事務所も融資支援をしっかり行っておりますので、ご支援をご希望の事業者の方はご相談頂ければと存じます。

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