昨年10月のコラム5で電子帳簿保存法(以下「電帳法」)の改正について説明致しましたが、令和3年税制改正で更に一部の改正があり、令和4年1月1日から施行ということで発表がありました。そしてこの度電帳法の一問一答が国税庁より7月に発表されましたが、全ての事業者に関係がある事項がいくつかあることが分かり、さらにしっかり対応できていなければ重い罰則があることも分かったため、大急ぎで情報収集に当たり、お客様へ周知徹底を進めております。

電帳法の詳細は国税庁ホームページでご確認頂きたいのですが、重要な留意点は「令和4年1月1日以降、電子取引により授受した請求書、領収書などの書類については書面による保存が廃止」されるということです。つまり従前では電子取引を行った場合、当該取引情報を電子データで保存する代わりに、同情報を紙出力することで帳簿保存要件を満たしていましたが、同法令の改正により紙出力での保存が認められず、一定の要件のもと電子データで保存することが必要となります。これは法人、個人事業主関係なく全事業者が対象です。なおここで言う「電子取引」とは以下のものを指します。

①電子メールにより請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)を受領

②インターネットのホームページからダウンロードした請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)又はホームページ上に表示される請求書や領収書等のスクリーンショットを利用

③電子請求書や電子領収書の授受に係るクラウドサービスを利用

④クレジットカードの利用明細データ、交通系ICカードによる支払データ、スマートフォンアプリによる決済データ等を活用したクラウドサービスを利用

⑤特定の取引に係るEDIシステムを利用

⑥ペーパレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用

⑦請求書や領収書等のデータをDVD等の記録媒体を介して受領

言うなれば紙の書類の授受ではなく、パソコン等を通じて授受した書類は全て該当ということでしょう。今ではパソコン等での書面のやり取りは当たり前になっているだけに、影響が大きいことがお分かり頂けるかと思います。

 

次回では電帳法改正で事業者は具体的に何をしていかなければならないのかをお話していきます。