1年半ほど前から当事務所では何度もアナウンス致しましたが、いよいよ本年10月にインボイス制度が導入されます。それに向けての対応につきましては、過去のコラムでもお伝えさせて頂きましたが、いずれにしてもかつてないほどドラスティックに財務対応の難易度が上がります。また昨年の税制改正では帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置が加わり、その具体的詳細が昨年10月国税庁より発表されました。これにより売上を日々ノートやメモに記入しているだけでは帳簿とは認められず、請求書や領収書を雑然と袋や箱に随時入れてまとめるような保存方法は認められなくなります。
税務以外の部分でも、本年4月より金融機関が貸付けを行う際、経営者個人に信用保証を負わせる場合、具体的な理由を説明するよう義務付けられました。これにより事業者にとっては借入れがしやすくなったと言えるので一見良さそうに感じますが、当然一定の要件も要求されることになります。具体的には「①資産の所有やお金のやりとりに関して、法人と経営者が明確に区分・分離されている」「②財務基盤が強化されており、法人のみの資産や収益力で返済が可能である」「③金融機関に対し、適時適切に財務情報が開示されている」とされています。②についてはかねてから申し上げているように、収益力があって営業利益を出すマネジメント力が要求されていることは言うまでもありませんが、①③も厳しく要求されております。つまり法人においては個人の通帳で決済があったり、法人で使用する資産を個人名義で購入することは許されなくなります。また③をしっかり履行するとなると、記帳資料を年に1回まとめて税理士事務所に送っていたという方は、そのサイクルも当然見直さないといけません。
そうなると売上や利益を上げるために一生懸命頑張ることももちろん重要ですが、財務対応についても経営者の重要な「仕事」であると今まで以上に自覚しなければ、売上や利益が上がっても淘汰されてしまうような世の中に向かっていることは間違いありません。
当事務所と致しましても上記の流れを受けて、今まで以上にお客様と密にコンタクトを取り、記帳指導や経理業務強化のご支援をしていかなければならないと強く自覚しております。そのために人員を増やし、ご支援のためのメニューも1月より増やしました。経理業務や記帳業務に不安がある方はこれを機に是非ご相談下さい!